Download THz AR Coatings Datasheet (PDF, 209 KB) |
結晶材料のTHz透過率は、反射損失が高いため、高くありません(HRFZ-Siの透過率は約54%で、THzグレードの水晶の透過率は約70%です)。ただし、反射損失はTHz ARコーティングによって低減できます。パリレンコーティングを提供しています。
平面のパリレンコーティング技術は、マイクロエレクトロニクスでよく知られています。光学面(平面および球面)のコーティングを実現するように改善しました。そのため、パリレンコーティングは、窓だけでなくレンズにも使用されています。
ARコーティングの波長範囲はお客様が指定します。60μm〜1300μmの広い範囲でARコーティングが可能です。
次のARコーティングが提供されています。
1. 両面ARコーティング
窓やメニスカスレンズに使用されています。ARコーティングにより、透過率は中心にあるARコーティングの波長で≥90%です。パリレンコーティングおよび非コーティングのHRFZ-Siおよびクリスタルクォーツウィンドウの透過率曲線の例を以下に示します。
図1.А. コーティングされていない両面コーティングされたHRFZ-Siウィンドウの透過率。ARコーティングの中心は120 µm
図1.В. コーティングされていない両面コーティングされたHRFZ-Siウィンドウの透過率。ARコーティングの中心は330 µm
図1.С. コーティングされていない、および両面コーティングされた水晶の石英窓の透過率。ARコーティングの中心は158 µm
パリレンコーティングされた部品は低温で使用できることが実験的に確認されています。
860μmを中心とする両面コーティングが施された結晶質の石英窓は、次のパラメーターで熱サイクルを受けました。
室温から77Kまでの冷却、30サイクル
室温から4.2Kまでの冷却、3サイクル
透過率スペクトルは、熱サイクルの前後で測定されました(図2A)。パリレンのコーティング表面を顕微鏡で観察しました(図2.B)*。フィルムは低温下でも劣化しません。透過率は一定のままです。
図2.А. 熱サイクル前後の両面コーティングを施した結晶窓の透過率スペクトル。
図2.В 熱サイクル前後の両面コーティングが施された結晶ウィンドウの表面*
* The data was provided by Dr. Erik Heinz из Supracon AG, Germany
2. 片面 AR コーティング
半球レンズに適用されます。レンズはTHz TDSセットアップまたは超伝導ボロメーターで光伝導アンテナとして使用されるため、平面レンズ表面はコーティングされていません。現在、99 umから125 umの範囲を中心とするARコーティングは、特定の用途向けに開発されています。ARコーティングにより、半球レンズの透過率が30%向上します。半球形レンズの形状は透過率を測定するのが難しいため、ARコーティング付きレンズとコーティングなしレンズの透過率曲線をシミュレーションしました(以下を参照してください)。
あるお客様が行った実験結果では、ARコーティングによる透過率の増加が確認されました。片面コーティングされた超半球レンズを使用しているときのお客さんの機器のパワーの増加は、111 umで約30-50%でした。
図3. コーティングされていない片面(球面)のパリレンコーティングされた半球レンズのシミュレーションされた透過率。ARコーティングの中心は99〜125μm
ご覧のとおり、コーティングされていないHRFZ-Si半球レンズの透過率は6%のみです。全反射の影響と関連しています。全反射の角度は約17度です。シリコンの屈折率とレンズの形状により、THz放射はレンズに浸透し、レンズ表面と空気の界面から反射されます。したがって、半球レンズの開口数は40%のみです。お客様が必要とする波長範囲の特殊性を考慮して、ARコーティングされたウィンドウとレンズをご要望に応じて製造しており、原則として在庫から入手することはできません。